800万年前、札幌硬石や藻岩山の周辺はカイギュウが泳ぐ豊かな海でした。この時代の堆積物は砥山層(泥岩)となっていきます。砥山からは貝化石、小金湯からはサッポロカイギュウの化石などが発見されています。
600万年前頃から札幌硬石や藻岩山付近を含む全域で火山活動が活発化します。火山からは溶岩や火山灰などの、軽石などを主体とする火砕流堆を噴出し堆積していきます。
400万年前には火山島や海底火山により陸の基盤が形成されていきます。この頃に形成された角閃石の目立つテイサイトが藻岩下や八剣山山頂に見ることことができます。
280~230万年前には、これまでの火山で形成された山体から噴火を続け、山麓を形成します。山頂噴火も継続し溶岩を流出しながら山を形成してきます。
山麓噴火によって形成された石英の目立つ安山岩が軍艦岬などで発見されています。山頂噴火によってカンラン石の目立つ安山岩が藻岩山の山頂部で発見されています。
山麓・山頂噴火を繰り返したこの時代の後期(260~230万年前)に、これまでの火山活動により形成されてきた山体の割れ目からの噴火を経て現在の藻岩山となります。
札幌付近での火山活動は今のところ、この藻岩山の噴火が最後と考えられています。
この後の4万年前に石狩低地帯の南西縁(現在の支笏湖付近)で巨大噴火が起こり、支笏カルデラ(支笏湖)を形成しながら莫大な火砕流が流出します。
南北(現在の苫小牧/千歳方面)や東(現在の札幌東部/江別方面)は、この噴火の火砕流が大量に堆積し火砕流台地を形成しますが、西(現在の定山渓/藻岩山方面)は山地にはばまれ前時代の地形を残します。
これまでに形作られた地形に緑が生い茂り、現在に至ります。